Sahara's WebLog

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PIC10F322 扇風機のリモコンのクローンを作る 1 ON/OFFの実装

扇風機のリモコンから送った信号をPICで認識させることはできた(「PIC12F1822 + IR RC Module 扇風機のリモコン信号の受信」)。
そもそも、扇風機の壊れた首振り機能をPICを使って再現するのが目的だ。
まず、ステッピングモータをPICで駆動して首を振らせることが出来た。
その後、扇風機のリモコンの「首振」ボタンを押したときの信号を赤外線リモコン用の受信センサで受けてPICで読み込むことで、首振りのON/OFFを行うことも出来た。
なので、「扇風機の首振り機能復活プロジェクト」的には一応完了したわけだ。

ここからは、以上をやっているときにふと思った、「学習リモコン的なものも作れるかな」という発想を実際に試してみた覚書だ。
まずは扇風機の電源をPICで駆動する赤外線LED(OSI5LA5113A)からの信号でONにすることだけを目指す。

赤外線リモコンの送信部分に必須な38kHzのパルスについては「PIC10F322 3 LED Blinking 2」でPWMを使ってすでに完成している。
どういう信号を出せばいいかは、実際にリモコンの赤外線LEDの足から出る信号の記録をオシロスコープ(LHT00SU1)で取ってある。
fan_remocon_on_puls
これを泥臭く再現すればすぐに送信部が完成するはずだ。
下が、実際にPICで作り出した信号で、上のオリジナルとほとんど同じに再現できる。
fan_remocon_on_puls_by_PIC
基本の38kHzのパルスもちゃんとオリジナルに合わせている。
fan_remocon_on_puls_38khz
これなら、電源をつないで扇風機の方を向けさえすれば、ピッと音がしてファンが回り始めるはずだ。

電源ON
扇風機の反応なし

いろいろ細かく調整しても一向にウンともスンともいわない。
ところが、何かの拍子にいきなりピッと鳴ってスイッチが入った。
反応するときとしないときの違いがよく分からない。

どうやら、連続で送り続けていたんでは反応しないようだ。
はじめはOFFにしておいて、そのあとでONにすると反応する感じだ。
ミリ秒のオーダーで扇風機の電源を入れたり切ったりしたい人はいないわけだから当然といえば当然だ。
あれこれプログラムをいじって、ミリ秒だのマイクロ秒だの、通常はありえない値を扱っているうちにこういうごく当たり前の感覚を忘れてしまう。

いまひとつハッキリしないが、PICで作った信号を扇風機側に読ませることが可能なことだけは確認できた。
あとはタイミングの問題だと思われる。
RA3に接続したタクトスイッチを押すと信号が送られる。
当初、無反応だった理由がつかめなかったので、とりあえず泥臭くマイクロ秒単位の微調整をしてパルスだけはオリジナルに合わせようとした。
しかし、結局は送信のタイミングがこちらの想定していたものと違っていただけだった。
パルスに関しては、420us程度を1単位として 1T = 420us と 3T = 1260us の2種類、それぞれHighとLowを用意すれば足りることがわかった。
それらの組み合わせで、下のように1と0を表すと考えることが出来る。
fan_remocon_on_puls_01
プログラムでは T3OnT1Off();が1、T1OnT3Off();が0を処理している。
ここで再現している信号の場合は、110110000010 となる。

その後、タクトスイッチの長押しで扇風機をOFFにすることも出来るようにコードを変更した。
YUASA_Fan_IR_RemoCon_PWM (170 ダウンロード )

pic10f322_fan_remocon_on_off
電流を測定してみた。
20150621155953
左がボタンを押してないとき。
右がボタンを押しっぱなしにしてリモコンの信号を送り続けているとき。
パルス駆動なのでDMMで捕らえ切れるわけも無いが、この差が赤外線LEDの点滅に使われている分を表すので、便宜上6mA程度と考える。
ちなみに、オリジナルのリモコンでも測定してみた。
20150621223731
たぶん、ディスクリートなパーツで構成されていて、待機電流はゼロだろう。
12mA(こちらもパルスなので便宜上の値)が赤外線LEDのために流れていると考えられる。
やはり、トランジスタでも入れて駆動しなくてはいけないし、待機中の消費電流も考える必要があるだろう。

PIC10F322 扇風機のリモコンのクローンを作る 2 SLEEPさせる」へ続く

LHT00SU1 + PulseView by Zadig of sigrok

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Posted under: 扇風機の首振り機能復活プロジェクト


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