The Coversを見ていたらJUJUが中島みゆきの「糸」をカバーしていた。
ああ、この曲か。
サントリーのBOSSコーヒーレインボーマウンテンのCMの高見盛のバージョンで流れ、ただでさえ感動するCMなのに、ダメ押しで涙腺拡張に貢献するのがこの曲だ。
だが、タイトルを知らなかった。
1992年の作曲で、20年以上も前の曲がいまヒットと話題になったらしい。
あらためて全曲聴き直してみると、なるほどとわかる。
道に迷ってふと顔をあげるとそこに静かに立っていて、「あんた、何か大切なものを忘れちゃいないかね。」と問いかけてくる。
あまりにもがっしりと根っこの部分を掴んでいるので、10年でも20年でも頑としてそこに存在し続けて、時代がへらへらとあてもなくさまよい始めると、結果としていつの間にかその前にたどり着いてしまうのだ。
つまり、巷にあふれる便所紙のような歌と違って、めぐりめぐって時代の方から歌に擦り寄ってくる。
高見盛のCMといい「糸」といい、日本の感性はまだ死んじゃいないと思いたいんだけど、単なる断末魔の輝きなのかも。
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