「KiCadで作った回路図を現在編集中の回路図に読み込む」というタイトルは、何だか意味不明な気もする。
要するに、今作っている回路図に、以前作った回路図をインポートするということだ。
いつも使うお決まりの回路というものがある。
例えば、1.2Vのニッケル水素電池から昇圧して3.3Vを作り、それをマイコンの電源にするための回路など。
電池の容量が気にならないならLIR2032だけで済ますが、もう少し容量は欲しいが、電池3本はスペース的に邪魔だなあというケースでよく使う。
例として下のような回路図に上の電源回路を読み込んでみようとするが、私が知らないだけなのか、調べ方が足りないのか、インポートに該当する機能が見つけられない(下の追記に書いた機能がそれなのかもしれない)。
こういうときは、KiCadがテキスト・ベースであることを利用する。
上の電源回路のファイルから必要な部分をコピーして、下の回路のファイルにペーストするという操作をテキスト・エディタ上で行うのだ。
回路図上のパーツは
$Comp
L HT77XXA U1
U 1 1 5650C8C7
P 5600 3300
F 0 “U1” H 5875 3300 60 0000 C CNN
F 1 “HT77XXA” H 5600 3650 60 0000 C CNN
F 2 “” H 5600 3300 60 0000 C CNN
F 3 “” H 5600 3300 60 0000 C CNN
1 5600 3300
1 0 0 -1
$EndComp
のように、$Compと$EndCompにはさまれた部分だ。
配線は、
Wire Wire Line
6150 3900 6150 3400
Connection ~ 5700 3900
のように、Wire Wire Line や Connection と書かれている部分。
この部分をコピーする。
元の回路図はこれ。
上の方法でインポートするとこうなる。
うまくインポートできたが、完全に重なってしまった。
当たり前だな。
あらかじめずらしておいてから、インポートすればこの通り、問題なくインポート完了だ。
ちなみに、回路図のファイルはhogehoge.schという名前になっている。
もちろん、試す前にはバックアップを取っておくのを忘れずに。
ファイルの先頭部分に、使われているライブラリの一覧と思われる行が続くが、パーツの含まれるライブラリ名がここに無いと、もちろんちゃんとインポートできない。
やってみてちゃんとインポートできてなかったら、ライブラリがちゃんとリストされているか確認する。
追記
File > Append Schematic Sheet からファイルを開いても、見た目はインポートしたのと同様の結果になることが分かった。
Schematic Sheet というものがいまひとつピンと来ないのと、実行時に出る下のような窓の意味するところがピンと来ない。
「アンドゥできないよ。あと、hierarchical sheetは追加されないよ。やる前に保存しとく?」
と言っているんだけど、意味するところがつかめない。