禁煙が4年間継続できたので、うまくいった理由を振り返って書いてみてもいいかなと思う。
あくまでも個人的な感想だが。
まず、私の場合は、どちらかというと刹那的な思考をするタイプなので、タバコが体に悪いとかいう理由はあまり禁煙の動機として強くは働かなかった。「別にいいじゃん自分の体だし」みたいな言い訳で流してしまっていた。
ただ、屁理屈をこねるのが好きなタイプなので、なぜタバコに依存するようになるのかについては興味があった。つまり、現実問題としてタバコを止められないのはなぜなのかは知りたいと思っていた。
で、当時を振り返って、自分なりに調べた結果をかいつまんで書くと以下のとおり。
・脳内ではアセチルコリンという神経伝達物質が分泌されて自律神経を正常に保つためにはたらいている。
・アセチルコリンが不足すると様々な機能障害が発生して自律神経失調症の状態となる。
・ニコチンはアセチルコリンと非常によく似た構造を持っているので、ニコチンを摂取するとアセチルコリンと同じようにはたらく。
・ニコチンは30分で半減するのでアセチルコリンが不足したのと同じ状態になり、ごく軽い自律神経失調症の症状が発生する。
・そのまま時間が経過すればアセチルコリンが脳内から分泌されるが、待ちきれずにタバコを1服すると、アセチルコリンのかわりにニコチンがはたらいてさっきまでの不安感が解消される。
・この不安感が消えたときの感じは心地よいものとして脳に記憶される。
・ニコチンを摂取し続けると、ニコチンが代わりをしてくれるのでアセチルコリンを生成したり分泌したりする必要がなくなり、そのうちアセチルコリンを正常に分泌することができなくなる。
ざっと、このような過程をたどってニコチン中毒になるわけだが、要するに、
ニコチンのせいで正常に分泌されなくなったアセチルコリンの代わりをニコチンが補う。
という状態になっているのである。
ここまでまとめたときに、私は「ん?」と思った。
ニコチンのせいなのにニコチンで補う?
「それはおかしいよなあ」と思ったことと、この気持ちが持続したことが、私が禁煙を続けられている非常に大きな原因だと思っている。
もっと書けば、矛盾した行為のために毎日5~600円を灰にし、部屋中をヤニ臭くし、健康を損ない、他人にも不快な思いをさせるということに対して疑問を抱いたことが大きかったと思う。
「うーん、やっぱ、一服すると落ち着くなあ。」
とか言いながらスパスパやっていたのが、急に
「はあ?」「何それ?」「ニコチンの思う壺じゃん。」「馬鹿なの?」
としか思えなくなったのだ。
N君に殴られる。
N君がさすってくれて痛みが和らぐ。
N君っていいヤツだなぁ。
てか、殴ったのN君だしっ。
「禁煙できたわけ2」
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