Sahara's WebLog

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小泉純一郎VS読売新聞から見えるマスコミの無能

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小泉元首相の脱原発論に対する読売新聞の社説を見る。

小泉元首相発言 「原発ゼロ」掲げる見識を疑う(10月8日付・読売社説)
 首相経験者として、見識を欠く発言である。原子力政策をこれ以上混乱させてはならない。
 小泉元首相が講演で、「原子力発電に依存しない、自然を資源にした循環型社会」の実現を唱え、政府に対し、「原発ゼロ」の方針を掲げるよう求めた。東日本大震災を機に自らの考えを変えたという。
 小泉氏の発言は、政府・自民党の方針と異なる。政界を引退したとはいえ、看過できない。
 安倍首相は、安全性が確認された原発は再稼働させ、民主党政権の「原発ゼロ」路線を見直す意向だ。自民党も原発再稼働の推進を選挙公約に盛り込んだ。
 小泉氏は原発の代替策について「知恵ある人が必ず出してくれる」と語るが、あまりに楽観的であり、無責任に過ぎよう。
 現在、火力発電で原発を代替している結果、燃料の輸入費が増え、電気料金は上昇を続けている。このままでは、家計や経済活動に与える影響が大きい。
 火力発電は、二酸化炭素(CO2)を多く排出し、地球温暖化が進む大きな要因である。
 太陽光や風力を利用した再生可能エネルギーは、天候に左右されるなど弱点があり、主要電源になる展望は見えていない。原子力、火力を主力にバランスの取れた電源構成を目指す必要がある。
 「原発ゼロ」が政策になれば、福島第一原発の廃炉などに必要な技術者も確保できまい。
 小泉氏は、「原発ゼロ」の理由として、原発から生じる放射性廃棄物の扱い方を疑問視し、「核のごみ処分場のあてもないのに、原発を進める方がよほど無責任ではないか」と主張した。
 使用済み核燃料や、それを処理した際に出る放射性廃棄物の処分法は技術的に決着している。
 専門家は地盤の安定した地層に埋めれば、安全に処分できると説明している。日本を含め各国がこの方法の採用を決めており、フィンランドでは建設も始まった。
 放射能は、時間を経ると減り、1000年で99・95%が消滅する。有害性が消えない水銀など重金属の廃棄物とは事情が違う。
 問題は、廃棄物を埋める最終処分場を確保できないことだ。政府と電力業界は候補地を募ってきたが、自治体や住民の理解を得る努力がなお足りない。
 処分場の確保に道筋が付かないのは、政治の怠慢も一因と言える。首相だった小泉氏にも責任の一端があろう。処分場選定を巡る議論を進めるべきである。
(2013年10月8日01時47分 読売新聞)

>首相経験者として、見識を欠く発言である。
>原子力政策をこれ以上混乱させてはならない。
バカ過ぎてコメントする気にもならん、論理的に頼むわ。

>小泉氏の発言は、政府・自民党の方針と異なる。
>政界を引退したとはいえ、看過できない。
これもバカ過ぎてコメントする気にもならん。

なぜ、こういう「非論理的」以外の何物でもない駄文を社説の中に書こうと思うのか理解に苦しむ。
読者を馬鹿にしてるのか、それとも読売新聞の記者が馬鹿なのか?
これから書くことはみんな非論炉的なたわごとですよと宣言しているようなもんだ。
ま、事実、その通りなんだけど。

>小泉氏は原発の代替策について「知恵ある人が必ず出してくれる」と語るが、
>あまりに楽観的であり、無責任に過ぎよう。
確かにな、これは一理ある。
だが、彼はただの政治家、しかももう引退した人だから、無責任でも楽観的でもよかろう。
それに対して、社会の公器たる読売新聞の主張はこう。
>問題は、廃棄物を埋める最終処分場を確保できないことだ。
>政府と電力業界は候補地を募ってきたが、
>自治体や住民の理解を得る努力がなお足りない。
>処分場の確保に道筋が付かないのは、政治の怠慢も一因と言える。
>首相だった小泉氏にも責任の一端があろう。
>処分場選定を巡る議論を進めるべきである。
この主張は無責任じゃないのかね。
具体的に処分場をどう確保するのかについては読売新聞の考えを書かないくせに、小泉元首相の意見に対してだけ無責任と言うのは説得力ないね。
処分場が確保出来ていないのは純然たる事実で、原発の代替案について知恵ある人がいろんな案を出しているのは事実だから、現時点でさえ読売新聞の主張が単なる言いがかりなのは明らか。
今まで原発や核燃料リサイクルにかけてきた金と、これから福島の事故処理や補償にかかる金を、すべて原発の代替を開発・改良するのにつぎ込んだら、あっという間に代替できると思うけどね。
頭の腐った原子力ムラの連中に貢いでばかりで、肝心なところへは投資しないできたくせに、代替が無いとほざくのはやめて欲しい。
再生エネルギー関連にも同様に投資するか、あるいは、原子力ムラに配る余分な金を無くせば、何のうまみもない原発推進派なんてあっという間に自然消滅すると思う。

>現在、火力発電で原発を代替している結果、燃料の輸入費が増え、
>電気料金は上昇を続けている。
>このままでは、家計や経済活動に与える影響が大きい。
これに対する反論は、それこそいくらでも出来るが、たとえば河野太郎氏いわく

そもそも日本のLNG価格が、シェールガス革命といわれるアメリカの価格よりもはるかに高く、ヨーロッパと比べても二倍以上の価格になっていることを考えると、電力会社の調達は、あまりに芸がなさ過ぎる。
結局、消費者に全てコストを転嫁できるから安く燃料を調達しようというインセンティブが電力会社には働いていない。
この状況で燃料費が上がったら消費者の負担というのはいかがなものか。

また、現に、あの経済効率を最優先するアメリカでは、原子力発電所の廃炉が相次いでいるという。
今電気代が高くなっているのは発電もしていない原発の維持費や核燃料リサイクルとか言う絵に描いたもち同然の詐欺システムに費やす経費まで電気代に上乗せされているから。
つまり、原子力発電が安いというのは完全なウソ。
事故処理も含めて考えたら、逆に莫大な負担を国民に強いていて、得してるのは原子力ムラの連中だけ。
そういう状況を具体的に取材して論理的に比較する能力は読売新聞には無いのかな。

>火力発電は、二酸化炭素(CO2)を多く排出し、
>地球温暖化が進む大きな要因である。
これも、反論のねたは探せばごろごろ出てくるが。
石炭火力発電所の高効率化等でCO2削減 – J-POWER
世界初!火力発電のCO2排出量をほぼゼロにする『CCS』とは?
CO2排出量ゼロなんてのも近々可能らしいですぜ、当然読売新聞は無視なんだろうけど。
第一、CO2ってのは地球規模の問題なんだから、世界中の技術レベルの低い火力発電所に現状の日本の技術を持っていくだけでも、すぐに相当量のCO2の削減が可能でしょ、読売新聞にはそういうグローバルな発想も取材力も無いのかな。

>太陽光や風力を利用した再生可能エネルギーは、
>天候に左右されるなど弱点があり、主要電源になる展望は見えていない。
>原子力、火力を主力にバランスの取れた電源構成を目指す必要がある。
そもそも、誰が再生可能エネルギーを即座に主役にすると言ったのかな。
原発をやめて、当面は火力ってのが普通の発想でしょ、原発が動いてない今でもそうだし。
都合のいい仮定で結論有りきの愚論を展開するのはやめて欲しい。
しかも、自分に都合のいい場合だけ「現在」の状況を説き、まるで再生可能エネルギーの開発は今後もいっさい進歩しないかのような言い方だけど、核のごみは10万年保存し続けるんでしょ?
そこまで長い時間をかけなくても安定した再生可能エネルギーの供給が可能になると考える方が普通だね、CO2ゼロの火力発電はもっと早く実現可能だろうし。
ただし、ムラが搾取してる資金がまともな研究にちゃんと割り当てられればの話。

>専門家は地盤の安定した地層に埋めれば、安全に処分できると説明している。
>日本を含め各国がこの方法の採用を決めており、
>フィンランドでは建設も始まった。
着手したのはフィンランドだけ、場所が決まったのがスウェーデンで、その他の先進諸国で処分場が決まった例はまだひとつも無い、と書くのがまともな人間のモラル。
第一、「専門家」とかいう人が「安全だ」と説明して、それを信じるような者がどこにいる?
そんな状況か、今のフクイチは?
しかも「安定した地層に埋めれば」という日本では不可能な条件付き。
原発建設地の活断層がらみでもあれだけ右往左往してなだめすかしてつくろってるのに、「地下300メートルより深い地盤の安定した地層に保存」なんでしょ?
そんなのだれが太鼓判押せるのか、取材してきて教えて欲しいもんだわ。

>放射能は、時間を経ると減り、1000年で99・95%が消滅する。
>有害性が消えない水銀など重金属の廃棄物とは事情が違う。
おいおい、経産省は「放射能が十分に減衰するまでに数万年かかるため、人間の生活環境から厳重に隔離する必要がある」(経産省資源エネルギー庁)と言ってるけど、この書き方はずいぶん誤解を招く書き方だな、減少する割合の問題じゃなく放射線量の絶対値が問題なのに、いったいどっちが正しいの?
逆に言えば99.95%に減ってもまだ危ないほどの恐ろしく強力な放射能を発するものを地下に埋めるってことだよね。

というわけで、読売新聞には「やっぱりまた」失望した。
ちゃんと「多方面から」取材して、総合的に「論理的に」できれば「科学的見地から」記事を書いてくださいな。
まあ、震災後の電力もままならないときに、東京ドームで野球のナイト・ゲームをやると言い張って、世間からあきれられたあの「読売」だから仕方ないけど。

ずっと書き続けていることだが、日本にまともなマスコミが存在しない不幸、これをまずどうにかせんとな。

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Posted under: 社会


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