書いては放置、追記しては放置のこの記事だが、AVRがいったいどうなるんだか、よけいに混沌としてきたので、面倒になったから公開する(2015/12/25)。
追記(2016/01/20)
とうとうMicrochipがAtmelを買収したようです。
追記(2016/01/19)
「Dialogとの合意は破棄の可能性も:Atmelの買収、Microchipが優勢か」
AVR終了のカウントダウンが始まったって感じです。
追記(2015/12/22)
「Microchip、Atmelに38億ドルで対抗買収を提案」
どこか他に買われるならいざしらず、よりによってMicrochipに身売りしたら、AVRは本当に無くなるかもです。
以下の記事はもうだいぶ前に書いてあったのだが、書いている途中でAtmelが身売りされるというニュースが出てきたので、そこから放置してあった。
身売りして先がどうなるか分からないものと比較してもあんまり意味が無いからだ。
そうは言っても、せっかく書いたから、と気が変わったので公開することにした。
売却に関するDialog Semiconductorの発表と、買われる側のAtmelの発表を貼っておく。
Atmelの売却が決まった以上、これからマイコンを始める場合の選択候補としてのAVRの順位が下がるのは、当面は致し方ないことだろう。
新しい会社の傘下に入って魅力的なAVRの登場となるかもしれないし、逆にAVR自体が無くなるかもしれないが、いまのところどうなるか分からない(2015/09/28)。
「PIC vs AVR」とか「PIC AVR 比較」とかの検索語句での訪問を受けることが多い。
そこで、秋月がらみでPIC派な私がPICよりAVRの方がいいと思う理由をつらつら無責任に書くことにした。
お断り
※A ずぶの素人です。
※B PICの載ってる自作プリント基板が数十枚になりましたが、大した物は無いです。
※C AVRの作例は無いです。
※D Arduinoは持ってますが、最近は触ってません。つられて単体のATMEGA328Pも買いましたが、ファームウェアのバックアップ用で、今は部品箱のコヤシです。
※E 「秋月びいき」です。
※F アセンブラは昔「ポケコン」でやったっきりで、PICはCでしかやりません。
AVRよりPICの方がいいと思う理由
Tweet※01 正直言って、AVRを使ったことが無いので、「性能が」とか「使い勝手が」とかいう比較は自分ではできない。ただ、AVR派の人が比較対象にするPICがいつも古い機種ばかりなのに納得がいかない。PIC16F1系以降で比較するならどちらもさほど違わないと思うが、そういう比較の例は無い。なぜ無いかというと、AVRの分が悪いか、違いが無いかのどちらかだからと思っている。
「AはBより劣っている。」と力説する人の説明がフェアじゃない場合、「ホントはAの方が優れてる。」と思って間違いない。
※02 PICの方が日本語の作例が多い(外国ではAVRの方が多いらしいが必要性を感じないので未確認)。[初心者]+[英語力が必要]ってんじゃ大変だ。[初心者]+[日本語の情報]ならやる気も出る。
※03 PICの方がチップの入手性が良い(秋月取り扱い数、PIC200種以上、AVR数十種)。表面実装品に限ると、PICは48種、AVRは15種。何ならPICは製造元のMicrochipがサンプルを完全無料(upsのExpress Pakで送料も向こう持ち、数日で届く驚き)で送ってくれる(Atmelは研究・教育機関にしかくれない)ので、PICの入手可能性は実質100%。
※04 PICの製造元であるMicrochipはディスコン(廃盤・製造中止)にしない方針で有名である(Atmelの古いものは本家のストアでもどんどん在庫ゼロになる)。
※05 以上から、PICの場合はどんなに古い作例でも再現可能である(チップが入手できない場合、AVRは物理的に再現不能)。
※06 PICの純正のライター(PICkit 3 写真左)がかっこいい(Atmwl製の右は、いかにも電子工作オタクって感じ、ま、事実だけど)。「ダサイ」は罪(笑)。ちなみに、Atmelの方のフラット・ケーブルは評判悪い。PICkit 3は3年半でトラブル無し。
※07 「Atmelが売却を検討か」というニュースがある。売られた先によってはAVR自体が無くなる可能性もあるわけだ。AVRはたぶんにArduino人気に支えられている感があるわけだが、chipKITなんかの例を見れば、別にAVRが無くてもArduinoは維持できるわけで、AVR単体が消滅しても特に困らないのだ。chipKITなんて80MHzで動くし、もしMicrochipがAtmelを買い取ったりしたら、AVRの載ったArduinoは無くなってAVRの存在意義も無くなる。