打音検査、2000年が最後 笹子だけ「手が届かず」
山梨県の中央自動車道上り線の笹子トンネル崩落事故で、中日本高速道路(名古屋市)が管理する同じ構造の三つのトンネルのうち、笹子だけは2000年を最後に本体の天井部にあるつり金具のボルト部分の打音検査をしていなかったことが4日、同社などへの取材で分かった。
他の2トンネルより天井板からボルトまでの距離が長く、同社は打音検査をしなかった理由について「作業員の手が届かなかったため」と説明。「要領に基づき点検の基本は目視」としている。県警は捜索で保守点検に関する資料など計約550点を押収、安全管理の実態解明を進める。
2012年12月5日 00時18分(共同)
2000年には手が届いたのに最近は手が届かなくなった魔法のような構造物ってどんなものなのかぜひ知りたい。
就学前の子供でさえ、戸棚のお菓子は椅子に乗ればゲットできることを知っているし、それを実行する行動力を持っている。
点検なんてやっても一銭にもならないからやらない。
お菓子が無けりゃ子供も椅子を持ち出さないだろうから、まあ、同じといえば同じだ。
いずれにしても、コンクリートの構造物を乱立させるのには熱心だが、その構造物には誠意のあるメンテナンスという魂が入っていないわけだ。
そして、9人もの尊い命が失われた原因は「手が届かなかった」からだと言い放つ。
中部日本高速道路がどのようなオトシマエをつけるのか注目したいところだが、どうせ天下り官僚と土建屋利権の巣窟だろうから、誰も根本的な解決策を講じることなく時の経過とともにフェードアウトで終了だろう。
「原子力ムラ」以前から続く「道路ムラ」の存在をチラりと垣間見ただけで終わり。
追記
報道特集で実際の目視の様子をスタジオに実寸模型を作って放送していたのが分かりやすいので貼っておく。
赤丸の部分に検査の対象となるボルトがある。
3枚めはヘルメットに取り付けたカメラからの映像だ。
つまり、10年以上にわたってチェックらしいことは何もしていなかったと言った方が正しい。
明らかな人災、中日本高速道路による無差別殺人事件だと表現しても言いすぎではないだろう。