Sahara's WebLog

日記のような、備忘録のような、うらみつらみのような、自慢のような…。

それでもまだ続けようとする意味がわからない

脱原発は首相の希望、内閣の目標でない…枝野氏
 枝野官房長官は14日午前の記者会見で、菅首相が13日に表明した将来的な「脱原発」方針について、「遠い将来の希望という首相の思いを語った」と述べ、内閣としての政策目標ではないとの認識を示した。
 首相は記者会見で「将来は原発がなくてもきちんとやっていける社会を実現していく」と明言した。これについて枝野氏は「政府の見解というより、そういったことを視野に入れた議論を進めるというのが政府の立場だ」と説明。「原発をなくすことは内閣としての政策目標か」との質問に、「首相の記者会見ではそこまで言っていない」と指摘した。首相の発言内容について、政府内で事前調整を行ったかについても明言を避けた。
 政府が成長戦略の一環に位置づけてきた原発輸出については「我が国はどの国よりも厳しい安全性の下で(原発を)当面活用していく。輸入する側がどう受け止めるかを含めて、中期的に検討する」と述べ、継続に含みを残した。
(2011年7月14日16時04分 読売新聞)

何が何でも管の言うことにゃ反論の余地を残しておきたいってのもわからないでもないが
「将来は原発がなくてもきちんとやっていける社会を実現していく」
ってこと自体に何の問題もないと思いますけどね。

それでもまだ原子力発電を続けようとする意味がわからないです。
というより、何とかしてそういう含みを残しておこうと思う思考回路が分からないです。
だって

汚染水配管、完全にちぎれる…修理メド立たず
 東京電力は14日、福島第一原子力発電所の汚染水処理システムが配管からの漏水で停止している問題で、ポリ塩化ビニール製の配管接続部が完全にちぎれていたと発表した。
 破損部周辺は、放射線量が毎時100~150ミリ・シーベルトと非常に高く、作業員1人あたり1~2分程度しか作業を続けられない。東電では同日中に稼働を再開したいとするが、放射線の遮蔽や作業方法について慎重な検討が必要で、修理の見通しは立っていない。
 水漏れは13日、仏アレバ社製の放射性物質の凝集・沈殿装置で、薬液を汚染水に注入する配管で起きた。
(2011年7月14日14時59分 読売新聞)

福島の問題が解決できて、んで、改めて原発はどうすっかね。というのならまだ話を聞いてみようかなってな気分にもなるが、このひどいありさまじゃ、やっぱ、原子力発電には見切りをつけた方がいいんじゃね?というのが正直な感想。
使う側の迷惑を全く考慮せず、湯水のように必要となる原発がらみの経費をすべて電気料金に上乗せするようなことを続けてきたからできる話であって、通常の経済観念に即した企業なら原発なんてとっくに放棄してるでしょ。
もう一度足元見直してみてよ。
んで、少なくとも今の子供たちが住める日本を残しておくつもりで話をしてよ。

たとえば、福島の汚水処理の進展具合を新聞の記事の見出しから時系列でピックアップしてみたんですが、

汚染水配管、完全にちぎれる…修理メド立たず(7月14日 14:59)
アレバ社の汚染水処理装置、3度目水漏れ(7月13日 19:20)
汚染水処理装置で薬液漏れ、同じところ2回目(7月13日 00:02)
汚染水処理装置が緊急停止…配管から水漏れ(7月12日 12:17)
汚染水処理、13時間停止…50リットル漏れる(7月11日 10:31)
福島第一、汚染水浄化施設で薬液漏れ…毒性なし(7月10日 11:58)
汚染水浄化処理装置の停止、水量設定ミスが原因(7月1日 10:41)
福島第一原発、汚染水浄化処理システムを停止(6月29日 21:17)
チューブ外れ、低濃度汚染水15トン漏出(6月28日 21:39)
汚染水処理、弁開放でミス…浄化能力が低下か(6月23日 12:06)
米社装置の汚染水処理、目標のわずか20分の1(6月23日 00:22)
緊急停止の汚染水処理システム、通水試験を再開(6月21日 20:26)
汚染水処理システム、また停止…6回目(6月21日 13:06)
汚染水、想定外の高濃度…処理装置の線量上昇(6月21日 01:52)
汚染水処理、また漏水…運転再開は20日以降(6月20日 01:22)
福島第一原発、汚染水浄化の再開時期は未定(6月18日 22:22)
汚染水の浄化処理システム、未明に一時停止(6月18日 13:58)
汚染水浄化が本格稼働、18日にも「循環冷却」(6月17日 21:19)
汚染水処理装置水漏れ…作業員が誤って弁閉める(6月17日 12:58)
日米仏…寄せ集めの汚染水処理装置、また漏水(6月17日 07:10)
汚染水処理で放射線低減、水漏れで試運転中断(6月16日 22:41)
汚染水浄化、試運転始まる…あすにも稼働(6月16日 13:57)
放射性物質除去、目標通り…汚染水浄化へ試運転(6月15日 01:46)
汚染水処理装置、本格稼働は2~3日遅れへ(6月13日 12:08)
汚染水処理装置トラブル、弁を開放したら解決(6月12日 20:22)
汚染水処理装置、試運転延期か…水十分流れず(6月12日 11:45)
汚染水処理装置に設定ミス、本格運転に遅れ?(6月11日 11:48)
高濃度汚染水浄化装置、10か所以上水漏れ(6月10日 21:18)
福島第一の汚染水処理、試運転10日にも開始(6月9日 13:52)

どうこれ。
この、ダメダメぶりで、よく原発を将来のエネルギー政策の中に取り入れる余地があると思えるもんだと、逆に感心しますよ。

追加

浜岡5号機海水流入、キャップ溶接・厚さに原因
 浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)5号機で5月、運転停止作業中の原子炉に海水が流入した問題で、中部電力は15日、復水器の配管(細管)を壊す原因となった別の配管のキャップの脱落は、キャップの厚さや溶接方法など複数の要因が重なって起きたと発表した。
 中部電力は、外れたキャップの厚さが他の原子炉より薄かったことから、5号機の配管などの設計が他の原子炉や他社の同型原子炉と違う点があるかどうか再点検する方針。
 中部電力によると、外れたキャップは厚さ12ミリで、設計上の限度(9・3ミリ)は超えていたが、3、4号機の同じ箇所より薄く、解析の結果、厚みが薄いほどキャップにかかる力が大きくなることなどが分かった。
(2011年7月15日23時27分 読売新聞)

この情けなさは特筆に価しますねえ。
地震でも津波でも安全なはずの原発を、何でもない普通の状況でただ止めてみただけでトラブルが発生して大騒ぎです。
こういうおバカなトラブルのしわ寄せも電気料金に自動的に上乗せです。

「雨で濡れた路面状況の悪いときでも、うちの車は問題なくブレーキが効き、安全に止まることができます。」
というのが宣伝文句の車に晴れた日に試乗して、乾いた路面でブレーキをかけてみたら、ちゃんと効かずにオーバーランして車を壁に擦ってしまった。

さてこの車、あなたなら買いますか?
買いませんね、絶対。
でも、電力会社はこんなものを平気で売りつけているわけですよ。
そしてそのことは政府、官僚、学者の連携によってずっと隠蔽されてきて、しかも、隠蔽に加担した者たちはそれによって得た法外な利権をむさぼり続けているんです。
なぜそんな暴挙がずっと許され続けているのか、考えるべき時が来ています。

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