この記事は以前書いたもので、最近はPress-n-Peel Blueを使っていません。
「eBayで買った安い転写用紙を試してみる」
「最近のプリント基板作成手順(ラミネータと黄色紙によるトナー熱転写方式)」
をご覧ください。
Press-n-Peel Blueより安く、仕上がりに差はありません。
ここ1週間ほどやっている、レーザープリンタで専用シートに印刷して生基板にトナーを転写する方法でのプリント基板自作だが、問題なくエッチングまでたどり着くようになったので、手順をおさらいしておく。
前回、紆余曲折まで含めて書いたが、後で読んだら何が何だか良く分からなかったので、その反省の意味もある。
1.DesignSpark PCB で作成したPCBのパターンを、レーザープリンタ(Canon LBP-3100)でA4の普通紙にあらかじめドラフト印刷しておく。
印刷位置を合わせるために必要な手順だが、ドラフトモードにするのは単にトナーをケチっているから。
2.1.で印刷したパターンの上に、必要なサイズに切ったPress-n-Peel Blue(※1)をつや消しの面が上になるように重ね、プリンタに挿入する側の辺をダイソーのマスキングテープで貼る。
熱が加わるので、テープの糊の変質が気になったが、今のところ問題は無いようだし、後でちゃんときれいにはがせる。
3.レーザープリンタでドラフトのチェックを外して標準の濃さにし、1.と同じ手順で2.に印刷する。
同じ手順でやれば印刷がズレることは無いはずで、事実、今のところ失敗はない。
4.A4普通紙からはがした Press-n-Peel Blue(※1)をマスキングテープで生基板に貼り付ける。
生基板の銅箔面は1000番程度のヤスリで磨いて、表面のコーティングを除いておく。
このときの位置合わせがすべてを決めるので、慎重に行う必要がある。
Press-n-Peel Blue(※1)は不透明なので、透かして合わせるのが難しい。
位置合わせ用の外枠を描いておくといいと思う。
この写真では、生基板の方が小さいが、大きめの基板に貼って、エッチング後に余分をカットする方がいいのは明らか。
ただ、基板のカットはとても面倒だ。
5.ラミネーター(アイリスオーヤマ LTA42E)が十分に余熱されてブザーが鳴るのを待ってから、4.を7回程度連続で通す。
基板はやけどしそうなくらいに熱くなるので注意が必要。
挿入方向の長さとして約6cmくらい必要で、それより短いとラミネーター内部のローラー部分まで届かないので、何かで押し込むことになる。
ちなみに、ラミネータ LTA42Eのトレー(折りたたみ式)は外してある。
6.トナーの乗っている部分がエンボスのように少し膨らんで見えればうまく転写できている。
7.基板が冷えたら Press-n-Peel Blue(※1)を基板からはがし、ルーペなどで拡大しながら見て良くチェックし、欠けた部分を油性のマジックで修正する。
エッチング後にパターンを削ることは出来るが、切れた配線を付け足すのは困難面倒(「プリント基板の補修」)なので、油性マジックは多めに塗る方向で使う。
つまり、溶かし忘れは後でどうにかなるが、溶かし過ぎは困るということ。
8.ジップ袋に7.の転写済み基板とエッチング液を入れ、時々もみながら、40℃程度のお湯で10分ほど湯煎する。
この例では15cc程度を袋に入れた。
銅が溶けた部分は透けて見えるので、細かな部分は透かしながらルーペで見て進行具合を確認する。
9.KURE CRC ブレークリーンで基板のトナーやマジックをふき取って完成。
銅箔面はじきに腐食して汚らしくなるので、フラックス(手持ちの 太洋電機産業(goot) プリント基板用フラックス 無洗浄RMAタイプ BS-75B を使った。)を塗っておくのがお勧め。
ちなみに中央のICは44ピンTQFPなので、ピンのピッチは0.8mm、ランドの間隔は0.29mmだ。
フラックスの反射のせいでぼけた感じに写っているが、精度的にというか解像度的にというか、ルーペでのぞくとまだ余裕がある。
ちなみに、64ピンTQFPの場合の推奨されるフット・プリントは、ピッチが0.5mm、ランドの幅が0.3mm、ランド間は0.2mmだ。
それくらいならまだいけるんじゃないかと思う。
ここで使用したもの(※は新規購入 )
※生基板 パナソニック電工 FR-4 ガラスエポキシ材 片面板 板厚1.6t 銅箔35ミクロン(PCB Materials.com)
プラスチックカッター NT 替刃式 プラスチックカッター P-1P(きっとAmazon)
定規(どっかの100均)
1000番の耐水性サンドペーパー(不明)
※モノクロレーザープリンタ Canon LBP-3100(たぶんAmazon)
普通のコピー用紙 1枚(近所のホーム・センター)
マスキングテープ(ダイソー)
※パターン転写シート Press-n-Peel ブルー Transfer Film(PCB Materials.com)(※1)
※ラミネーター アイリスオーヤマ LTA42E(家電系の通販)
油性ペイント・マーカー(どっかの100均)
※KURE ブレークリーン(Monotaro)
TANITA 湯温計 ホワイト 5416(確かAmazon)
ボウル(どっかの100均)
ストップ・ウォッチ(どっかの100均)
湯煎用のお湯
※サンハヤト エッチング液 H-1000A(Monotaro)
ペーパー・タオル(どっかの100均)
グット プリント基板フラックス BS-75B(たぶんマルツ)
(※1)最近はPress-n-Peel Blueを使わなくなった。
「eBayで買った安い転写用紙を試してみる」を参照のこと。