自分用のフットプリントのライブラリを用意して、そこに自作のフットプリントを保存するという作業を行う。
まだそれ用のライブラリも存在しないところから話が始まる。
Foot Print Editorを開く。
New footprintをクリックする。
秋月にある表面実装用USBコネクタ・ミニB・メスのフットプリントを作ろうと思う。
秋月にあるデータシートのファイル名がMUSB-5BF02AS-Nだったので、下のようにこれを名前にした。
でも秋月での商品番号はMUSB-5B-NE-S175だった。
ここで自分用のライブラリ(saharaとした)を新規に作成しつつ、作ったフットプリント(MUSB-5BF02AS-N)をsaharaに保存する。
あらかじめフォルダを用意しておくのだが、ここではsahara.prettyにした。
hogehoge.prettyという名前にする必要がある。
sahara.prettyを指定して[OK]をクリックする。
KiCad本体に戻って、いま作ったライブラリを実行中のプロジェクトに登録する必要がある。
以下にその手順が続く。
さっき作ったライブラリ用のフォルダを指定する。
作りかけのMUSB-5BF02AS-N.kicad_modがあるのがわかる。
ライブラリの名前は.pretty無しのsaharaになる。
ここからは再びFootprint Editorで作業を続ける。
登録したライブラリを開く。
パッドを追加する。
パッドを編集するにはパッドの上で右クリックする。
サイズはデータシートをみて設定する。
必要なパッドを並べて位置合わせが済んだところ。
位置合わせで非常に重宝するのが、2点間の距離を表示する機能。
基点となるパーツの位置でスペースを押すと下の絵のようにリセットされ、マウスを移動すると起点からの距離が表示される。
動かしたいパーツの上で[M]を押して、パーツを移動しながら距離を確認できる。
パーツが狙った位置に来たら左クリックすれば、パーツどうしをぴったりの位置に合わせて配置できる。
DesignSpark PCBの距離表示ツールよりこっちの方が数段便利だ。
実際にPCBパターンを作ってSVGで出力し、Inkscapeに読み込んだところ。
ライブラリ関連が煩雑といえば煩雑だが、最初だけなので問題にはならないと思う。
ここまでで、ほとんど必要な操作はやってみたことになる。
使い込んでないから分からない、ということはあるが、今のところDesignSpark PCBよりしっくりきている感じがする。
DesignSpark PCBに自作の資産があるのでなかなかKiCadへの移行に踏み切れないが、これからPCBをはじめるなら絶対KiCadにした方がいい。
追記
インチかミリか。
これを書いた後でトランジスタ技術の記事を見たら、ミリじゃなくてインチで作らなきゃだめなようなことが書いてあった。
初めに,左側のツールバーの単位系がインチ系になっていることを確認してください.KiCadの標準ライブラリは全てインチ系で作成されているため,これから作るライブラリもインチ系で設計しないと,標準ライブラリと接続できなくなります.
確認したら普通にミリで作ってた。
気になったので、DesignSpark PCBで作ったのとInkscape上で比較してみたら、問題なかった。
右がKiCad、左がDesignSpark PCBだ。
違うじゃんと思われるかもしれないが、DesignSpark PCBの方のパッドの大きさはハンダ付けを考慮して大きくしてあるが、KiCadの方はデータシートそのままだ。
データシートのパターンは手ハンダを考慮していないので、こて先が触れられるように少し外方向へ大きくする必要がある。
いずれにしても、肝心なピンの間隔がピッタリなので、ミリで作っても何の支障も無いことになる。
「標準ライブラリ」というのが良く分からないので、自前のライブラリ以外だと問題なのかもしれないが。
そもそも、トラ技の記事にはバージョンが書いてないので不明だが、最新バージョンでは対応できてる可能性もある。
私が使ってるのは、2015-09-10 BZR 6177, Git 24409c6 というバージョンだ。
トラ技ともあろうものがオープンソースのアプリケーションの記事でビルド番号を明示しないとは何たる手落ちか、と思うが、最近トラ技は全く買ってないんでどうでもいい。
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