KiCadで配線していたら、1本だけどうしても通せない配線があったので、仕方なくビアを打って裏面に通してみることにした。
ついでなので、混んでいるいくつかの配線も裏に移してみた。
基本的な手順は前回「最近のプリント基板作成手順(ラミネータと黄色紙によるトナー熱転写方式)」に書いた。
今回は、両面基板を作るのに必要となった新しい手順を中心に、その覚書きだ。
ポイントは、当然、裏と表がずれないようにすること。
良くある方法は以下の通り。
トナー転写の済んだ表裏2枚の紙を透かしながら位置合わせをする。
そのまま封筒のように貼り合わせる。
その封筒の中に生基板をはさむ形で入れる。
黄色紙の場合は印刷済みのトナーが非常にはがれやすく、紙の透け具合もあまり良好ではない。
上の方法では、位置合わせの際にこすれたり、基板をはさみ込む際に基板が当たったりして、トナーがはがれてしまう危険性があると思われる。
そう思っただけで実際に試して確認したわけではない。
ないが、トナーのはがれやすい黄色紙の位置をどうやって合わせるか、別の方法を考えてみた。
思いつくままに、とりあえず以下のようにやってみた。
PCBパターンを作る際に、右上と左下に位置合わせ用のビアを作っておく。
ここでは、2枚を一度に作ったので、合計4ヶ所のビアが回路に無関係に打ってある。
回路上のビアで位置合わせをしてもいいが、以下に説明する手順の過程でトナーがはがれる危険があると思われた。
そこで、大事を取って回路に無関係なビアを用意することにした。
印刷時の位置合わせ用のドラフト印刷を使って両端の位置を虫ピンで基板に打っておき、
そこにドリルで穴を通しておく。
転写用の印刷済みの黄色紙の隅にも同じビアがあるので、これに虫ピンを刺して裏から位置が分かるようにしておく。
基板上のドリル穴と転写紙の虫ピンの穴を合わせて虫ピン通して板の上に止める。
マスキング・テープで貼り付けてから虫ピンを抜く。
以上の作業をもう一方の面でも同様に行う。
この後のラミネータでの手順は片面の時と同じなので省略する。
ちなみに、両面基板の場合、基板が非常に高温になって全く手で持つことが出来ない。
片面のときも熱くはなったが、持てないほどではなかった。
銅箔の無い面はさほど熱くならなかったからだろう。
エッチングが済んで切り離したところ。
ビアに実装面側から穴を開けてみた。
多少ずれてはいるが、穴自体が完璧な垂直に掘れているわけでもないことを考慮のうえ、前向きに判断すれば、まずまず合格と言えるだろう。
いつもの調子で穴あけしてしまったので、もっと垂直に気を使えば改善の余地はあると思う。
ちなみにビアの径は最初なので大きめに2mmとしてある。
ドリルの径が0.8mmなので、ズレは大まかに0.4mm以内には収まっていそうだ。
もちろん回路としては何の問題も無い。