Sahara's WebLog

日記のような、備忘録のような、うらみつらみのような、自慢のような…。

ABSの反りと割れ

3Dプリンター TEVO Tarantula 65 – ABSの反りと割れ –」

3Dプリンター TEVO Tarantula 64 – 初めてのABS –」の続き。
20x20x5mm程度のサイズのテストではさほど気にならなかったが、いきなり大物を出力してみると、反りや割れがひどい。

軽くひねった程度で上のように層に沿って割れてしまう。
これに関しては、ノズルの温度をフィラメントのスプールに書いてある指定温度範囲200~240℃の最高値である240℃にしたらこの時点では解消した。

反り対策はなかなか大変だ。
ガラス面にマスキング・テープを貼った上に印刷しても5mm程度のBrimではダメだった。
角が反って完全に浮いてしまう。
そこで、下の写真のように角にHelper Disksと呼ばれる丸い板を取り付けてみたが、これもダメだった。

さらに、Helperを四角くしてそれ自体も上からマスキング・テープで貼ってみたがダメだった。

よく見ると、下の写真のようにそもそもマスキング・テープがガラスからはがれているのだから手の打ちようがない。

大物はあきらめて、地道に小物でテストすることにした。
条件設定が雑だが、とりあえず下の表のような設定で(A)~(G)を印刷した。

結果は以下のようになる。

(A)マスキング・テープでBrim無しでも高さが10mmならそれほど反らない。
(B)高さを15mmにするととたんに反る。
(C)ベッドの温度を上げてみたが(B)との違いは無かった。
ここまでやったところで、うちには存在しないと思いこんでいた「ケープ」を見つけたので、(D)以降はマスキング・テープでなく「ケープ スーパーハード」をガラスに吹いて試してみた。
初めに書いたように、いずれにしてもマスキング・テープには限界を感じていた。
もちろん、ベッドの温度設定の影響かもしれないので、一概にマスキング・テープが悪いと決めつけられるわけでもないが…。

(D)(C)との違いは「ケープ」とベッドの温度だが、ほとんど反りは出ない。
ケープ」を機械周りで吹くのはどうかと思っていたが、何のことは無い、ガラスを外して吹けばいいのだと気づいた。
ならば、マスキング・テープより「ケープ」の方が手間がかからない。
定着も(D)(C)の比較から分かる通りマスキング・テープより「ケープ」の方が良い。
(E)高さを20mmにすると若干反りが目立つようになる。

(F)(E)と同じ条件で5mmのBrimをつけたものだ。
 Brimのカットが雑なので曲がって見えるが、反りは無い。
 が、割れた。
 何かもうイタチごっこって感じ。

(G)(F)と同じ条件でフィラメントの温度を250℃に設定したもの。
 すべて許容範囲に入り、割れも生じていない。
 現時点での設定としては合格だ。
ここで、Tarantulaを買ったときにおまけで付いてきたABSを使い切った。
本当にテスト用ってことになってしまった。
最初に良く考えもせずデカイ失敗作を量産したから。
新しく注文したABSはまた違った特性なんだろうけど、ABSってもののPLAとの違いは何となく理解できた気がする。

ここまでで分かったPLAとの比較は以下の通り。
※ノズルもベッドも高温(250℃、90℃)なので余熱に時間がかかる。
※ガラスへの定着に劣るのでPLAのように何もしないで直接印刷とはいかない。
 「ケープ スーパーハード」をガラスに直接吹いてからプリントする。
※冷めてもPLAのように勝手にはがれるということはない。
 そこそこはがせる程度の接着具合にはなる。
 サイズの大きいものなら、はがすための道具が必要かもしれない。
※Brimをカッター・ナイフで除去してみた感じでは、PLAより加工性が良い。
 今のところBrimが必須だが、きれいに削り取れるのであまり苦にならない。

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