Sahara's WebLog

日記のような、備忘録のような、うらみつらみのような、自慢のような…。

ロマンの有無

人が生きていくのには、むろん金や経済観念も必要だが、ロマンはそれ以上に大切だと思う。
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今日、いまさらながら「はやぶさ」関連の記事を眺めていて、朝日新聞の記事に行き当たって思った。
なんてつまらない感性のヤツが記事を書いていることか。
その記事を引用してみよう。

「はやぶさ」地球帰還に望み 停止中のエンジン再利用
2009年11月19日20時58分
 小惑星への着陸に初めて成功したものの、来年6月の地球帰還が危ぶまれている探査機「はやぶさ」について、宇宙航空研究開発機構は19日、運用を止めていた2基のエンジンの機能を半分ずつ組み合わせることで再出発したと発表した。しかし、年内に再びトラブルが起きれば帰還はさらに3年延びるといい、綱渡りの運用が続いている。
 はやぶさには長距離航行用のイオンエンジンが4基ある。1基は打ち上げ直後から不安定で運転を止め、もう1基も07年から休止。今月初旬にはさらに1基が劣化のため自動停止した。このままでは帰還に必要な速度まで加速できないことがわかった。
 各エンジンには、プラスとマイナスの電荷を出す機器が対で付いている。宇宙機構は問題発生後、最初に止まった1基のエンジンのマイナス側と、2番目のプラス側を組み合わせる運転を試みたところ、1週間運用した結果、十分な推進力が得られることが分かったという。
 はやぶさの開発と打ち上げにかかった費用は計約210億円。運用費は年約1億円といい、帰還が3年延びればさらに3億円程度増える。(東山正宜)

事実といえば事実なんだけど、その事実をどう記事にし、どう記事にしないかが記者の感性だ。
最後の2文がこの東山とかいう記者のすべてを物語っている。
科学技術より目先の経済。ロマンより銭。
特に、最後の一文で披露している幼稚園レベルの算数ときたら、読んでてこっちが恥ずかしくなる程度の低さだ。
「年に1億だから3年で3億」
そりゃそうだわなとしか言いようが無い。
にもかかわらず、あえてこの2文を書き加える愚かさ。そこに、朝日新聞のメディアとしての限界が見える。大衆に情報を提供することはできても、それによって大衆の心をわしづかみにすることは今の朝日新聞には決してできない。

「はやぶさ」の打ち上げからの経過や、その目的を、意味の無いもの、無駄なものと思うか、感動的ですらあると目を輝かせるか。
たかだかケシ粒ほどの星屑を拾うために、3億3000万Kmの彼方まで往復する無人の機械にロマンを感じるかどうか。
これはもう、理屈ではない。

少なくとも私はこの210億円を高いとは思わないし、大気圏で燃え尽きるであろう「はやぶさ」を、もしその残骸だけでも回収できるのなら、さらにもう数億出しても惜しくは無いだろうと思う。
ま、私が出すわけじゃないんだけどね。

できれば「はやぶさ君」とかいって盛り上がっている人達の側に私は立ちたいし、悪いけど東山君とは友達になれそうもない。

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