増殖炉研究凍結へ 来年度予算7~8割減
2011年9月26日 東京新聞夕刊
国の核燃料サイクル政策の中核となる高速増殖炉について、文部科学省が来年度予算の概算要求で、実用化に向けた研究費を本年度当初予算の百億円から七~八割削減する方針であることが二十六日、分かった。一方、原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)は維持管理費として本年度並みの約二百億円を維持する。
東京電力福島第一原発事故を受け、菅直人前首相、野田佳彦首相は、原発に頼らない社会を目指す方針を示した。将来のエネルギー政策が決まらないため、文科省は原型炉の次の段階の実証炉の研究予算を大幅削減し、事実上、開発を凍結する。現在の軽水炉原発に代わる高速増殖炉の必要性が不透明な中、もんじゅの維持費用などに巨額の予算を投入し続けることに批判は必至だ。
文科省幹部は「もんじゅがこういう状況なのに実証炉の話をする段階ではない」とする一方、もんじゅは安全管理上、予算削減は困難と説明している。
年度内の実施を計画しているもんじゅの本格運転に向けた「40%出力試験」は、燃料交換装置落下事故への対応などで見通しは不明。本年度は八億円を計上していた。試験が来年度に実施される場合でも対応できるよう予算措置を検討している。
増殖炉の開発費7割削減へ、もんじゅ経費は維持
文部科学省は、使用済み核燃料を再処理して利用する高速増殖炉サイクル技術の研究開発費(今年度予算100億円)を、2012年度予算で7~8割削減する方針を固めた。
東京電力福島第一原子力発電所事故を受けて政府が進める原子力政策の検証の間、同技術の実用化に向けた開発を保留するものだ。
一方、高速増殖炉「もんじゅ」の維持費など(同210億円)はほぼ継続。結果、研究開発費、もんじゅの維持費、燃料の製造技術開発費などを合わせた同技術の推進費(同400億円)は全体で2割程度の削減となる。
政府のエネルギー・環境会議は7月、原発依存度低減に向け、原子力政策を総合的に検証する方針を打ち出した。政府は検証結果を受け、来年夏にエネルギー戦略の基本方針をまとめる予定だ。今回の対応は、基本方針での核燃料サイクルの扱いが決まるまで研究開発を保留することを、予算面で明確にするものだ。
(2011年9月26日03時05分 読売新聞)
ニュースの伝え方ってのはマスコミの恣意的な解釈の反映されるところだ。
東京新聞の見出しは
「増殖炉研究凍結へ 来年度予算7~8割減」
読売新聞の見出しは
「増殖炉の開発費7割削減へ、もんじゅ経費は維持」
となっていて、どちらも明らかに作為的だ。
いかにもたくさん削減するように思えるように見出しに書く。
でも、ウソは書いてないでしょ。と言い訳できるような伝え方、ここにヤツらのずるさがある。
ある部分は7~8割減、一方、全体では2割程度の削減にとどまる
実際は、
高速増殖炉サイクル技術の推進費(同400億円)は全体で2割程度の削減となる。
何の見込みも無い技術に、依然として400億円もつぎ込む一方で、何の責任も取らない東京電力のために、国民には、電力の値上げ、消費税率の引き上げを強要する。
で、マスコミは、そんなこたあ、小声でしか報道しない。7~8割減を強調して、世論を誘導し、反対の声を黙らせようとする。
最近の私のスタンスは、
事実を伝えてこなかったマスコミこそが諸悪の根源だ。
ということで、ほぼ確定している。