再処理稼働へ 「原発ゼロ」は青森への背信だ(9月5日付・読売社説)
日本は、原子力発電所から出る使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル」政策の実現を目指している。
日本原燃が青森県六ヶ所村に建設してきた再処理工場は、その要である。稼働へ向け、大きなヤマ場を越えた。
1993年に着工し、2兆円以上の建設費が投じられてきた。高レベル放射性廃棄物を安定保管するため、ガラスで固める工程が最終試験段階で難航していたが、ようやく試運転に成功した。政府の安全確認などを経て完工する。
ウラン資源の有効活用や放射性廃棄物の減少に貢献する施設である。早期の稼働が求められる。
懸念すべきは、政府・民主党の「脱原発」論議の迷走だ。再処理工場を稼働させられるかどうか、それ自体が問題になってきた。
政府のエネルギー・環境会議で有力選択肢に浮上している「原発ゼロ」になれば、使用済み核燃料の再利用の道は閉ざされ、工場を動かす意味がなくなる。
再処理工場に全国の原発から搬入された約3000トンの使用済み核燃料は行き場を失うだろう。
青森県は、日本原燃と交わした覚書を踏まえ、工場を稼働させない場合は、すべてを各電力会社が引き取るよう求めている。
そうなれば、各地の原発は戻された使用済み核燃料で満杯となり、交換用の新たな核燃料を持ち込む余地さえなくなる。これでは、立地自治体も、原発を再稼働することに同意はすまい。
将来の「原発ゼロ」どころか、直ちに混乱しかねない。
青森県の三村申吾知事は先月、政府に対して「現実的に実行可能な方針」を示すよう求める要望書を提出し、「原発ゼロ」に疑問を呈した。核燃料サイクルについても「資源に乏しいわが国を支える重要な政策」と述べた。
政府・民主党が安直に「原発ゼロ」政策に転換しないよう、クギを刺したものだろう。当然の見解表明と言える。政府は、青森県に誠実に対応すべきだ。
再処理技術は、核拡散に敏感な米国が日米原子力協定で日本に特別に認めた権利でもある。この権利が「原発ゼロ」で失われる。
無論、これまで培ってきた原子力の技術が衰退し、新たな人材も育たなくなる。
使用済み核燃料を、厳しい管理の下で確実に再利用することは軍事転用を封じるのに役立つ。
中国、韓国などは原発利用を拡大している。「原発ゼロ」は日本の発言力を低下させるだけだ。
(2012年9月5日01時07分 読売新聞)
>1993年に着工し、2兆円以上の建設費が投じられてきた。
20年近くの年月と2兆円の巨費を無駄にしてまだ実現していない「核燃料リサイクル」ってことですね。
>「原発ゼロ」になれば、使用済み核燃料の再利用の道は閉ざされ、工場を動かす意味がなくなる。
そうですよ、それでいいんです。使用済み核燃料はもうこれ以上増えませんから。
>これでは、立地自治体も、原発を再稼働することに同意はすまい。
そのとおり。当たり前のことじゃないですか。
>「資源に乏しいわが国を支える重要な政策」
「たたでさえ狭い国土を放射能まみれにして、国民から国土を奪う狂気の政策」の間違いでしょ。
>これまで培ってきた原子力の技術が衰退し、新たな人材も育たなくなる。
その技術と人材を何に使うって?
都合のいい理論だけ振りかざさないで、はっきり書けばいいのに。核兵器が欲しいと。