Sahara's WebLog

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オスプレイの事故率とマスコミの良心

オスプレイ、平均より低い事故率 2012.7.1 00:18
 オスプレイは事故が多発している印象が強い。だが実は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備される海兵隊仕様のMV22は、海兵隊が所有するヘリを含む航空機の平均事故率より低い。
 オスプレイは開発段階で4回の事故を起こしているが、(1)整備ミス(2)エンジン出火(3)操縦ミス(4)システム不具合-と原因は異なる。うち平成12(2000)年に19人の死者を出した事故は、米軍の要員が初めて搭乗した「お披露目飛行」だっただけに衝撃が広がった。
 普天間飛行場への配備通告目前にはモロッコと米フロリダ州でも事故を起こした。ただ、モロッコで墜落したのはMV22だが、フロリダ州の事故は空軍仕様のCV22。両機の機体は9割方は同じだが、運用はMV22が人員・物資輸送、CV22は特殊作戦という大きな違いがある。フロリダ州での事故後にまとめた10万飛行時間あたりの事故件数を示す「事故率」はCV22で13・47。一方、MV22は1・93にとどまり、海兵隊所属のヘリを含む航空機の平均事故率2・45より低い。
 陸上自衛隊の元ヘリパイロットで防大教授の山口昇氏は「事故率はバスタブ曲線を描く」と話す。配備当初は事故が多発するが、その後低下し、老朽化して再び多発するU字となるというもの。要するにMV22の事故率は今後低下する見通しだが、逆に普天間飛行場に配備中のCH46には老朽化による事故が多発しかねない危険もあるのだ。
 米国防総省はモロッコとフロリダの事故で「機体の安全性に問題はない」と発表。モロッコのケースは追い風の影響を受けた際の操縦ミスとの見方も示した。
 2件とも回転翼を前方に傾け、ヘリモードから固定翼モードへの変換時に起きており、オスプレイの特性を生かすための操縦で異常が発生した可能性が高い。
 防衛省はフロリダの事故を独自に分析する調査チームを編成したが、山口氏は「米軍の調査結果をうのみにするのではなく、防衛省が責任を持って安全性を確認し、地元を説得するしかない」と話している。
産経ニュース

産経さんはオスプレイの事故率が低いことにしたいらしい。政府寄り、米軍寄り、沖縄の神経を逆撫で、ってのが社風なのがよくわかる記事だ。
機体が9割方同じだと言いながら、わざわざMV22とCV22を分けて事故率を示し、MV22の方が低いと言いながらそれより低いCH46の1.11という事故率には触れない。
導入後の沖縄が安全なのかどうかについて議論するべきなのにね。

オスプレイ事故発生率:CH46上回る 2012年6月14日 09時42分
 米軍環境審査では、MV22オスプレイによる総額200万ドル以上の被害か死亡などクラスAの重大事故発生率について、10万飛行時間当たり1・12としていた。代替されるCH46は1・11でほとんど変わらず、2004年の運用開始以後は「継続して良い安全記録を示している」と強調していた。
 ところが、環境審査中の4月にモロッコで演習中に墜落し4人が死傷した事故を受けて、データを修正したところ、重大事故の発生率は1・93に跳ね上がり「老朽化していて危険」とされるCH46の重大事故率を大幅に上回った。
 報告書では「CH46とは異なりオスプレイのパイロットはシミュレーターを大幅に活用する。以前は実物で行っていた緊急時の対応訓練が可能」とし、「パイロットのミスの原因の事故リスクが最小になる」と安全性を強調しているだけに皮肉な結果となった。
 実戦配備されて間もないオスプレイは、従来機と比べ一度事故が起きると事故率が跳ね上がる傾向にあり、データ上、安全性が確認されているとは言い難い。
沖縄タイムス

こちら、沖縄タイムスは、産経さんとは異なり、論法が非常にフェアに思える。てか、新聞ならそれが当たり前だが。
機体が9割方同じCV22の13.47という高い事故率にはあえて触れず(危険だと無理に煽ろうとはせず)、実際に沖縄に配備されるMV22の1.93と現行のCH46の1.11とを単純に比較して、配備によって今より安全になるとした米軍の主張に疑問を投げかけている。
話の持って行き方に何の不自然さも感じない。

ニュースの内容やマスコミが何を伝えたいのかよりも、そのためにどんなごまかしを行っているのか、そういう点に気をつけて新聞の記事を読みたい。
全てのデータを入手したわけではないので、どちらの結論も(事故率が高いのか低いのか)断定はできないが、「未亡人製造機」と呼ばれているのは確かなんだろう。
何で、そんな不名誉な呼ばれ方をするようになっちまったのかねえ、産経さん。

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Posted under: マスコミ


5 comments

  • 『導入後の沖縄が安全なのかどうかについて』
    を語るとしたら、オスプレイの事故率とCH-46の事故率の意味を考えなければいけない。

    CH-46は開発から50年以上経過して、今現在の事故率は非常に低い位置にある。バスタブ曲線で言えば、底辺に位置している。
    しかし、今後老朽化が深刻化するに伴い、事故率が上昇していく事は明らかであり、また性能が低過ぎていい加減、米軍側はCH-46を退役させたい。

    逆に、オスプレイは配備から10年もたっていない為、まだ事故率を統計として見るにはデータが少ない。その為、事故率も数字以上に高い事が予想される。
    しかし、今後の運用と改修で事故率が減っていく事は、他の兵器同様に見込める。

    バスタブ曲線で言えば、今一番高い位置にあるオスプレイ。逆に、底辺にあるCH-46。その二つの数字を並べて見ても、近い将来事故率が逆転する事は、科学的には常識になっている。

    また、軍事兵器の本来の目的を考えれば、いつまでも性能の低いモノを使っている事は、安全保障上において、危険を増す事にも成る。
    展開能力が格段に向上すれば、それは有事の際に国民の生命を守る、非常に優れた手段にもなる。有事の際の国民の生命の安全は想定に入れない、と言う主張は有り得ないだろう。

    以上の事から、『導入後の沖縄の安全』と言う意味では、オスプレイが一番安全に資するものになると結論出来る。
    逆に、導入される事で困るのは、中国や南北朝鮮でもある。

  • 評論家の皆さんには、予想や見込みでなく、今日明日の頭上の安全の話をしてほしいものです。
    有事に守ってやるから平和なときは我慢しろってんじゃ納得は得られないでしょうしね。
    それにしても、海兵隊仕様のMV22が43機も行方不明なんですって、無事だといいですね。

  • 有事の為に平時を我慢する。
    その事なら、日本国民はとっくに受け入れている事ですよ。
    自衛隊が配備しているヘリのほぼ全ては、オスプレイ以上の事故率をもつ物ばかりです。
    毎年、何人もの自衛隊員が殉職していますが、それは単に報道されていないだけの事です。

    また、今日明日の事しか考えなくて良いのならば、そもそも有事に備える為の軍隊なんて持つ必要も無いのでしょう。

    また、オスプレイはCH-46に比べて、積載重量で3倍、航続距離で4倍、速度で2倍を出します。
    仮に、同じ重量の物資を、同じ距離輸送しようとしたら、CH-46では数倍の時間が掛る事になります。幾ら時間辺りの事故率が低くても、運用時間が何倍も掛れば、仕事量に対する事故率はオスプレイを上回る事になります。

    個人的な意見としては、どうもマスコミが言う『危険』を鵜呑みにして、感情論に流されている人が多いのかなと言う気がします。冷静になって情報を漁れば、これ程騒ぎたてる様な問題でもない事が分かるでしょう。

    • 行方不明の件ですが、

      米議会で海兵隊が予算承認されて2008会計年度までに引き渡されたはずの126機のMV22のうち、43機分が“行方不明”となっていることが問題にされている。
      米国会計監査院が不明の43機分のデータ開示を求めたのに対し、米海兵隊はこれを拒否。米上下院は、公聴会を開くなど調査をし、海兵隊員から「破損などの報告を避けるため、訓練などでダメージを受けた機を倉庫に保管し、未報告としていた」という情報もあったという。
      これらが事実なら、MV22の「1.93」という事故率データの信憑性が極めて疑わしいものとなる。引き渡された機体のうち、損傷や故障で3分の1もがリタイヤ状態というのは、新型軍用機としては信じられないほどのていたらくでもある。

      とのこと(米政府は包み隠さず事実を説明せよ)。
      元ネタは沖縄タイムスの「米議会 オスプレイ調査検討」です。
      その後の情報が気になりますね。
      「信じられないほどのていたらく」だから日本に押し付ける。
      さもありなん。

  • sibukitatosi on 2012年12月31日 at 12:11 AM said:

    Reply

    闇に紛れて砂嵐の中で敵地を急襲といった作戦を行うCV22の事故率が高いのは当たり前。
    それと極めて疑わしのはCH46の事故率、
    こんなものは少なくとも配備後の全事故率で比較するべきでしょう、
    それだとCH46は5.74 MV22は1.93
    さらに2倍速くて3倍積めるから1/6。
    機器類の事故率はバスタブカーブなんて言わなくても比較の対象になりません。

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