DesignSpark PCBの出力をレーザープリンタでPress-n-Peel Blue(※1)に印刷し、生基板に転写した物をエッチングしてプリント基板を作成するという方法を試しつつあって、とりあえず生基板への転写にこぎつけるまでの騒動の覚書き。
ただのジタバタ騒動記であり、うまく行かなかった原因を単なる思い込みで分析して羅列してあるだけの記事だ。
4度失敗して、5度目にやっと満足のいく転写結果となったが、その失敗した手順も含めて書く。
不要な、あるいは、本来やってはいけない手順もそのまま羅列されているのでご注意を
そういうのいらない場合は「レーザープリンタ + Press-n-Peel Blue + 生基板 -> エッチング 今度は1回でできた」をどうぞ。
使用した機材
モノクロレーザープリンタ Canon LBP-3100
近所のホームセンターで買った普通のコピー用紙 1枚
ダイソーで買ったマスキングテープ
ラミネーター アイリスオーヤマ LTA42E
PCB Materials.com で買った 生基板 パナソニック電工 FR-4 ガラスエポキシ材 片面板 板厚1.6t 銅箔35ミクロン
PCB Materials.com で買った パターン転写シート Press-n-Peel ブルー Transfer Film
うちにあった1000番の耐水性サンドペーパー
Monotaroで買った KURE ブレークリーン
プラスチックカッター NT 替刃式 プラスチックカッター P-1P
Press-n-Peel Blue Transfer Filmの本家はこちらで、使い方はこちらに写真入で書かれている(英文)。
検索すれば日本語の解説記事もたくさん出てくる。
1.位置決めのためにA4のコピー用紙にPCBのパターン画像を印刷しておく。
2.Press-n-Peel Blue Transfer Film(以下 PnPB)を適当なサイズにはさみで切る。
3.2.を1.で印刷したPCBのパターン画像を覆うようにマスキングテープで貼り付る。
つや消しの面が印刷面なので、これが見えるように貼る。
プリンタへの挿入方向(赤矢印)側の1辺だけにテープを貼った。
4.PCBのパターン画像を1.のときと同じ様に印刷する。
この後の手順では失敗を繰り返したが、ここまでの手順には全く変更を加えなかったので、特に問題点は無いと思う。
ただ、作ろうとした基盤が小さすぎなのが後で問題になる(約30x25mm)。
5.プラスチックカッターで適当なサイズに切った生基板の表面にブレークリーンを噴いてきれいにする。
6.5の上に4.を重ねてラミネーターに付属のキャリアシートにはさんでからラミネーターに通す。
7.ラミネーターの内部に詰まる。
8.ラミネーターを分解して詰まったものを取り出す。
買われて届けられて初めて電源投入されたばかりなのに、いきなり分解されてしまうアイリスオーヤマ LTA42E哀れ。
赤丸の穴の中2つと、白く見えるゴム足を外した穴の中4つの計6本のネジを外すと本体上半分の白い部分を外すことができる。
もちろん転写失敗
9.気を取り直してキャリアシートなしで直にラミネーターに通すが小さすぎて取り出せなくなるので、ラミネーターは分解したままの状態で使う。
失敗
10.ラミネーターのブザー音が2度鳴るので、何かと思って初めて取扱説明書を読み、まだ余熱段階なのに基板を通していたことに気づく。
11.ちゃんと取扱説明書を読み、LEDが点滅から点灯に変わり、ブザーが鳴ったてから基板を通すようにして、2.の手順からやり直す。
もちろん6~8は飛ばす。
基板にブレークリーンを噴いて、転写されたトナーを拭ってきれいにし、そのままもう一度使う。
だいぶ良くなったがやはり失敗
12.ラミネーターを分解したままなので、基板の圧着具合が弱いのではないかと思い、ラミネーターを元の状態に戻す。
小さすぎて出てこない基盤は、別の基板の端材(約25x70mm 下の写真)であとから押し出すようにしてラミネーターを通すようにする。
失敗
写真なし
13.12.で使った端材を見ると、表面がこすれた部分の光沢が他と全く違うことに気づく(上の写真)。
ヤスリかけなきゃダメかと思い、基板にブレークリーンを噴いて転写されたトナーを拭ってきれいにしてから、1000番の耐水性のサンドペーパーで表面を磨いた上で2.の手順からやり直す。
6~8は飛ばす。
失敗
転写はほぼ完璧なのに、PnPBを載せるときにミスって右へずれたまま転写されてしまった。
4度もやると、もともと無い集中力がさらに無くなるのだ。
14.以上を踏まえてもう一度やり直す。
やっと満足できる結果となった。
結論
ラミネーターの使い方くらいちゃんと取扱説明書を読もう。
結果としてラミネーターに付属のキャリアシートは必要なかった。
あまり小さな基板でやろうとしたために余分な細工が必要となり、そのせいでうまく行かなかった感がある。
最初から適度なサイズで普通にやってれば無問題だったかも知れない。
基板はちゃんと研磨した方がいいようだ。
失敗の一番の理由は研磨の手順を飛ばしていたからのように思う。
あらためて本家の説明のページを読んでみたら、ちゃんと
Clean copper board with steel wool, S.O.S. or Brillo pads.
と書いてある。
S.O.S.とBrillo padsはこんなの。
ただし、all the soap washed outとあるから、結局、目の細かいサンドペーパーでOKだろう。
いずれにしても、そこそこ本気で磨けってことなんだなとはじめて知る。
下の写真は、別の基板だが、磨く前後の比較。
こうやって比べると何かコーティングされていて、磨かなきゃダメなのが良く分かる。
まだ、エッチングしてないので、さて、今度はどんな問題が持ち上がるやら。
まともな人ならそんなこたあ絶対やらないよなというような馬鹿を除くとポイントは以下の2点。
あまり小さな基板はうまくない。
ここでやった、後から継ぎ足して押し出す方法を用いない場合は、ラミネーターへの挿入方向の長さが6cm以上は必要。
購入後の生基板は表面を磨かないとダメ。
磨く方法については何がベストか良く分からないが、ここでは1000番のサンドペーパーを使った。
自分が4枚も失敗したくせになんだが、上の2点さえ守れば、普通はまず失敗しないと思う。
(※1)最近はPress-n-Peel Blueを使わなくなった。
「eBayで買った安い転写用紙を試してみる」を参照のこと。
手順に変更はない。